積算価格の算出方法(区分マンションの例)

積算価格の算出方法の実例です。ここでは管理人Bが実際に調べた例を挙げて、解説していきます。

埼玉県入間市の4LDKと広い間取りの区分マンションが、1080万円と、一見すると「安いな」と思わせる価格で掲載されていたので調査しました。(買付はせず)




それもそのはず、この不動産は、任意売却物件なのです。

 


任意売却は、競売の一歩手前の、裁判所に差し押さえられた物件です。管理人Bはこの手法で、現在自宅兼事務所として使っている、物件アキコを手に入れています。


その1:土地の積算価格を算出

物件販売資料(マイソク)の右側に、土地に関する記述があります。

入間市マンションの土地の記述部分


これをもとに地価マップを使って、土地の積算価格を出します。早速検索してみると、次のような積算評価となる事が分かります。

入間市マンションの相続税路線価


接道する路線価は9万3000円です。が、良く考えると、マンションの土地面積って、どう産出するんだ???

かける事の406㎡ですから、土地値は1218万円であるという事が分かります。


●区分マンションの土地面積の求め方

マンションの場合、多数の住民がマンションの敷地を共同で利用します。一応、自分の持ち分は計算上存在して、そこから計算します。

が、販売資料に記載されていないことも多いので、その場合は不動産屋さんに電話などで聞いてみましょう。

今回、販売資料の枠外に手書きで記載した数字が、持ち分になります。

敷地面積は1781.51㎡、その敷地に対する今回の住戸の持ち分が33万7543分の8573です

という事は、この住戸の敷地面積は45.2㎡と求められます。狭いでしょ、意外と。マンションって。


●引き続き、土地分の積算を算出する上での注意

さて、区分一戸当たりの土地面積が45.2㎡とわかりました。地価マップより、地価が9万3000円だという事もわかりました。

ゆえに、この区分マンションの土地分の積算価格は、420万円であると算出できます。

しかしです。マンションはいくら計算上の土地があると言っても、個人で好き勝手に売買できませんよね。動かすわけにもいかない。




という事は、計算上は存在するにもかかわらず、金融機関などはそのままの評価をしてくれないのです。

金融機関ごとに違いはありますが、算出した積算価格の半分程度に減額して見てやると、実質的な積算価格となります

という事は、この区分マンションの土地代相当部分の積算価格は210万円程度だと分かります。


その2:建物の積算価格を算出

つぎに建物です。




建物の構造はRCで、1991年築だから、現在は築22年の物件です。減価償却を出す場合、 (47-経過年数)÷47年 ですから、これに当てはめて算出します。

と、待てよ、バルコニーって建物の面積に入れるのか???


●バルコニーは、区分マンションの建物には算入しません

知ってました? バルコニーって、区分所有者の持ち物ではないんです。あれは、階段などと同様、共用スペースなんです。

驚きですよね。植木を置いたり、不要な荷物を山のように積み上げたり、テーブルを置いてビールを飲んだりしているかと思いますが、あくまでみんなのスペースなんです。

というのも、バルコニーは区分マンションの消火活動や避難の際の通路になるからなんです。

共用部なんだけど使わせてあげてる、という、何とも言えない部分なんですね。なので、バルコニーが広くて眺望が良い物件なんかを買っても、数字上は全く無意味な行動なんです・汗。

で、積算を算出すると、下記のようになります。

(47年-22年)÷47年×85.73㎡×20万円=912万200円


その3:土地と建物を合計して、積算を出す

以上より、土地と建物を合算して、今現在の積算評価を算出します。この区分マンションの例では、

210万円912万円1122万円


が、計算から求められる積算価格です。この価格に対して売値が1080万円ですから、実に微妙なストライクゾーンで物件価格が決められているような感触です。

ただし都市部に近い場所ですから通常は、積算価格よりも大幅に高い売値であるケースが多い。実際にこの物件、相場より2割くらい安いですから、お買い得であることは確かです


しかし、今回は管理人は買い付けを見送りました。なぜなら、賃料から考えると、この区分マンションの表面利回りが10%に満たないからです。

任意売却物件の場合、価格交渉はできません。金融機関側(保証会社)と売主がガチガチの交渉をして売値が決められますので、価格交渉をすると金融機関が社内稟議のし直しになるからです。

大企業で、普通の3倍くらいお堅い社風の金融機関が、値段をコロコロ変えるなんて、ありえないのです。

したがって今回は買付するに至らず、再び良い不動産探しにまい進したのでした。

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